完全ワイヤレスイヤホンにとって「あって当たり前」となった機能がノイズキャンセリング(ノイキャン)です。いずれのモデルも一定水準の性能を持つようになっていますが、近年の“最強ノイキャン”として評価されたのがソニーの「WF-1000XM5」でした。
登場は2023年9月1日。もうじき発売から一年が経過することになり、その間にも次々と優秀なノイキャン性能を誇るモデルがリリースされています。
そんななかでも、まだWF-1000XM5は最強なのか? 試してみた印象をお伝えします!
もくじ
WF-1000XM5のスペック
まずはWF-1000XM5のスペックからチェック。
発売日 | 2023年9月1日 |
価格 | 31,850円(税込)*記事執筆時点のAmazon価格 |
Bluetooth | 5.3 |
コーデック | SBC、AAC、LDAC、LC3 |
防水・防塵性能 | IPX4 |
マルチポイント | 対応 |
最大再生時間 | NCオン:最大24時間(本体8時間、充電ケース2回充電) / NCオフ:最大36時間(本体12時間、充電ケース2回充電) |
急速充電 | 対応 |
ドライバーサイズ | 8.4mm |
公式サイト | https://www.sony.jp/headphone/products/WF-1000XM5/index.html |
音質の面ではソニーが独自開発した8.4mmドライバーユニット「ダイナミックドライバーX」を搭載、LDACコーデックでの接続に対応するなどでサポート。これまたソニー独自のアップスケーリング技術「DSEE Extreme」の搭載や、360 Reality Audio認定モデルであることなど、現時点でも最先端と言って問題ない技術が投入されています。
特にノイキャンに関する技術紹介は公式ページでも記載が多く、リアルタイムに環境に合わせたノイキャン性能の最適化が行える統合プロセッサーV2の採用、片耳3つずつのノイズキャンセリングマイクを正確に制御する高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN2eの搭載、マイクが受ける風ノイズを低減するデザインなどを存分にアピール。
付属のイヤーピースも、前モデルWF-1000XM4のイヤーピースからポリウレタンフォーム素材の形状を変更することで装着感を高めるだけでなく、ここでも「高音域の遮音性を向上させる」と説明しています。
ノイキャンには「パッシブノイズキャンセリング」と「アクティブノイズキャンセリング」の2つがあり、ひと言でノイキャンという際には「パッシブ+アクティブ」の状態を指すことがほとんどです。ざっくりと、パッシブとは「イヤホンを着けただけの耳栓としてノイズを低減する状態」で、アクティブは「ノイキャン機能をオンにしてノイズを低減する状態」のこと。つまりノイキャン性能の高さは、ノイキャン機能オフの状態での遮音性が少なからず重要なわけです。WF-1000XM5はイヤーピースにも手を入れ、そこもしっかりフォローしていますね。
WF-1000XM5のユーザー評価
さて、世間のWF-1000XM5の評価について、AIを使っていくつか集めてみました。
【評価1】優れたノイズキャンセリング機能:WF-1000XM5のノイズキャンセリング機能は本当に驚異的です。通勤中や飛行機の中でも周囲の騒音をしっかりと遮断してくれます。音質も素晴らしく、特に低音が豊かで、全体的にバランスが取れています。
【評価2】装着感が素晴らしい:このイヤホンは非常に快適で、長時間つけていても耳が痛くなりません。さまざまなサイズのイヤーチップが付属しているので、自分にぴったりのフィット感が見つかります。バッテリー持ちも良く、通話品質も優れています。
【評価3】アプリが使いやすい:ソニーのアプリを使えば、簡単に設定をカスタマイズできる点が気に入っています。イコライザーで自分好みの音に調整できるのも便利です。ただし、価格が高めなので、コストパフォーマンスに敏感な人には少し敷居が高いかもしれません。
WF-1000XM5のレビュー
それではWF-1000XM5のレビューをしていきます。
聴いていて楽しい音作り
まず重要なサウンドについてですが、どの帯域の音も情報量たっぷりに耳まで届き、楽しく聴くことができます。全体としてバランスは取れていますが、フラットではなく華やかなタイプ。男女問わずボーカルを引き立て、低音に量感はありつつも、中高域の方が厚みがあり聴いていて気持ちがよいです。
生楽器のオーケストラもゴリゴリのロックバンドもこなすオールラウンダー、といったところですが、音と音のつながりが滑らかで、きらめくような高音にスピード感があるため、打ち込み系の楽曲との相性は特に良いように感じました。
一方で、聴いていて楽しい音は、ときには派手とも感じられます。音数の多い楽曲をほかのイヤホンと同じボリュームで聴き続けていると、早めに耳が疲れてきました。WF-1000XM5使用時はボリュームは気持ち抑えめがオススメかもしれません。
ノイキャン性能は間違いなく上位レベル
ソニー調べでは、2023年4月10日時点の完全ワイヤレスイヤホン市場において「世界最高」を謳うほどのノイキャン性能は、たしかに優秀です。音楽を流した状態でノイキャンをオンにすると、すぐ近くで稼働している空気清浄機のファン音がまったく聴こえなくなりました。
外では特に低い音がカットされ、トラックや電車の走行音など激しめのノイズも相当小さくなります。家のなかで使うのであればほぼ無音に持っていけるかもしれません。賑やかなカフェでは人の話し声はある程度低減されますが、距離感や声のボリュームによっては話している内容がわかります。とはいえノイキャンの効果は確実に感じられます。
先ほどボリュームを抑えめに、と書きましたが、優れたノイキャン性能を持っているので小ボリュームでも問題なく微細な表現も聴き取ることができます。
外音取り込み機能も併用必須
ノイキャンをオンにしてもサウンドへの影響が少なく、むしろ低音などは引き上がる印象があります。そのため常時オンにしたくなる方もいるでしょう。ただ、ノイキャンオンではバッテリーの減りが早くなるということと、なにより電気自動車や自転車などの接近に音で気づけない可能性が高いので、歩行時などは外音取り込み機能を使うのがオススメです。
パッシブのノイキャン性能もしっかりあるため、ノイキャンオフでも音楽再生しているとだいぶ外音が聴こえなくなります。ノイキャンをオフにすればいいか、というと、それだけでは不十分なシーンも多々あります。せっかくの機能ですから、フル活用していきましょう。
他のイヤホンと比べても優秀、だけど飛び抜けてはいない
WF-1000XM5のノイキャン性能は優秀ですが、他のモデルと比べてどうなのかと言えば、もちろん悪くなく、むしろ上位に並びます。ただ、これがナンバーワンと断言することは難しいです。ボーズやJBL、テクニクス、ビクター、そしてAnkerやファーウェイなどもノイキャン性能を高めたモデルをラインナップしており、ぶっちゃければどれも優秀なのです。
ひと昔前のモデルと比較すれば、明らかに性能がアップしていることはすぐわかります。またノイキャン性能をそれほど打ち出していないモデルとも、違いはわかりやすいでしょう。ただ新しく、ノイキャンも強化したとアピールするモデルに対してだと、両方比べてみればわずかに違えど、そこで負けたモデルに不足を感じるかといえばそうではありません。
それほど、全体のレベルが上がってきています。そんななかでノイキャン目当てでWF-1000XM5を選ぶのは、ちょっともったいないかもしれません。
WF-1000XM5のレビューまとめ
WF-1000XM5のノイキャン性能を確認するこということでレビューしてきましたが、結論としては「ノイキャンは間違いなく優秀、ただそれだけでなく総合的な機能性で優れている」となります。
装着したまま自分が声を発すると音楽差生成を一時停止&外音取り込みモードに自動で切り替えるスピーク・トゥ・チャット機能や、止まっている時/歩いている時/走っている時/乗り物に乗っている時の4パターンそれぞれでノイキャン・外音取り込みモードを自動で切り替える機能など、意識せずに搭載された機能を使いこなせるのはさすがソニーといったところ。
音楽再生だけでなく、映像鑑賞やゲーム、オンライン打ち合わせなど様々な用途を一台でまかないたい、というのであれば、いまだWF-1000XM5は超有力候補です。
- 豊富な機能それぞれが高水準
- アップデートも頻繁に行われる
- 汎用性が高いので最初の1台にもオススメ
- サウンドは聴き疲れすることも
- アプリから操作した方がいいことが多い
- 後発モデルがより安く、性能も追いついてきている
いかがでしょうか? ソニー「WF-1000XM5」が気になっていた方の、製品選びの参考になれば幸いです。
コメント