ここ1〜2年ほどで、耳をふさがずに外の音を取り込める「ながら聴きイヤホン」の人気が爆発的に高まりましたね。このジャンルに注目が集まりだした当初は、ほぼ一社独占のような状況でしたが、現在は多くのブランドから個性豊かな製品が発売されています。
ということで、今回はJBLの耳をふさがないワイヤレスイヤホン「Soundgear Sense」をレビューします。
市場では高音質モデルとして人気を集めていますが、実際のところはどうなのか? 普段使いしてみた印象をお伝えします!
もくじ
Soundgear Senseのスペック
Soundgear Senseのスペックを見てみましょう。
発売日 | 2023年10月13日 |
価格 | 22,000円(税込) |
Bluetooth | 5.3 |
コーデック | SBC、AAC(LC3対応予定) |
防水・防塵性能 | IP54 |
マルチポイント | 対応 |
最大再生時間 | 24時間(本体6時間+充電ケース18時間) |
急速充電 | 対応 |
ドライバーサイズ | 16.2mm |
感度 | 112dB |
再生周波数帯域 | 20Hz – 20kHz |
インピーダンス | 32Ω |
公式サイト | https://jp.jbl.com/SOUNDGEAR-SENSE.html |
こうして並べると、ワイヤレスイヤホンに欲しいとされている機能はだいたい搭載されていることがわかります。ノイズキャンセリング機能はありませんが、それは外の音も同時に聴きたいというながら聴きイヤホンなので当然といえば当然ですね。
コーデックについてはSBC、AACと現時点では必要最低限といったところ。ただ、ながら聴きイヤホンという特性を踏まえると、いわゆる高音質コーデックへの対応はオーバースペックになるかと思いますので、そこでコストが上がるよりは全然いいかと思います。
付属品はUSB-Cの充電ケーブルとネックバンド。充電はいま主流のUSB-Cで行えるのは、ほかのデバイスのケーブルを流用できるので使いやすいですね。ワイヤレス充電こそ非対応ですが、約15分で約4時間分の再生が可能な急速充電にも対応しているので、充電周りで困ることはなさそうです。
ネックバンドは装着することで左右のイヤホンをつなげることができ、スポーツ時などに落ちにくくなるというもの。雨にも耐えられ、またほこりにも強いIP54の防水・防塵性能を備えているため、着けたまま汗をかくくらいは大丈夫です。
そして、集中して音楽を聴くより、作業のお供に使うシーンが多いながら聴きイヤホンということで、マルチポイント対応が一番のポイントではないでしょうか。2台のデバイスと同時接続できてスムーズに切り替えられるので、パソコンと接続している時にスマホに着信があってもそのまま取れますし、宅配便が部屋のチャイムを鳴らしても気づくことができるなど、イヤホンを着けっぱなしにする状態がより快適になります。
Soundgear Senseのユーザー評価
世間ではSoundgear Senseはどう評価されているのでしょうか? AIを使っていくつか感想を集めてみました。
【評価1】快適で使いやすい:Soundgear Senseは長時間の使用でも負担を感じず、快適に使うことができます。外音取り込み機能を持ったイヤホンより、周囲の音がクリアに聴こえるのも使いやすいポイントです。ただ、音質は他のイヤホンに比べてやや劣るかもしれません。
【評価2】バッテリー持続時間が長く便利:このイヤホンはバッテリー持続時間が優れていて、一度充電すれば長時間使用できます。また、ポータブルなデザインが気に入っています。外の音が耳に入ってくるのは良いですが、騒がしい場所では音楽が聴こえにくいです。
【評価3】ユニークなデザインに魅了される:独特なデザインに一目惚れしました。普通のイヤホンやヘッドホンとは違う使い方ができるので、新鮮な体験です。音質も悪くないですが、なにより外の音がクリアに聴こえる点が気に入っています。
Soundgear Senseのレビュー
それではSoundgear Senseのレビューをしていきます。
フィット感は高いけれど耳が痛くなる
ながら聴きイヤホンで主流といえるのは「骨伝導」タイプで、その名の通り音の振動を骨を介して伝えるものです(有名ブランド:Shokzなど)。骨伝導タイプは耳の穴の側にユニットを接着させるので、耳の穴は完全にフリーとなります。そのため外の音がまったく遮られないので、外の音はクリアに聴こえます。一方で、骨から振動を伝えるためか、骨伝導タイプを使っていると独特な気持ち悪さを感じてしまう人もいます。
Soundgear Senseは耳の穴の上にスピーカーを浮かせるような仕組みを採用しています。これは普通のイヤホンのように耳を完全に塞ぐことはありませんが、骨伝導タイプよりは外の音が聴こえにくく感じます。とはいえ、聴こえないわけでは全然ないので十分ながら聴きできますし、音質が確保しやすいというメリットがあります。
本体は可動式のイヤーフックを耳の上に引っ掛けるようなかたちで装着します。ズレたりすることはなく、着けたまま歩いたりしてもフィットしたままなのは好印象。ただ、世間的には快適という声の多い装着感ですが、自分の場合は1時間も着けていると、イヤーフックが当たる耳の上から裏側あたりが痛くなってきます……。いくつかの耳掛け型のモデルを試したなかでも痛みが発生しやすい方で、フィット感を高めるために若干強めに固定する仕様なのかもしれません。装着感はその点だけ個人的にマイナス評価です。
通話はクリアで接続も安定
ワイヤレスイヤホンとしては、ケースから取り出すとスムーズに接続されて、使っている最中に音が途切れたりしたこともありません。いまだワイヤレスイヤホンは接続が不安定な機種も発売されているので、しっかりと安定した接続が実現できているのはそれだけで強いと思います。
マイク内蔵で通話にも対応していて、自分の声も相手の声も十分にクリアに届きます。仕事のオンライン会議でも問題なく使うことができました。
音漏れはほとんどなし
音漏れがほとんどしないのはかなりのプラスポイント。満員電車は難しくても、常識的なボリュームであれば電車でも使えそうです。ひとつ気をつけたいのは、街中などでは外の音が聴こえすぎて、再生している音楽が聴こえずボリュームを上げすぎてしまうこと。大音量は耳に負担が掛かりますし、そのまま静かな場所に入るとさすがに音漏れするかもしれないので、一定以上にボリュームを上げないよう意識するのが良さそうです。
音質はながら聴きイヤホンのなかで上位
肝心の音質ですが、JBLらしい元気のある低音が楽しめるのが最大の特徴です。ながら聴きイヤホンは耳をふさがないという設計上、どうしても低音がスカスカになってしまいがちですが、Soundgear Senseはある程度の量感を確保できているのがスゴイところ。ブンブンの低音派には物足りないかもしれませんが、バランスの取れた音楽再生を実現できています。
また高音についても同じことが言え、空気中に拡散してしまうのを最小限に抑えて鼓膜まで届かせてくれているような印象。特に中域に厚みを持たせているということもなく、全体として低音から高音までまとまりのよい聴こえ方です。
音域とは別に、ウィスパーボイスや余韻表現などの小さな音は厳しいかもしれません。映画『BRAVE HEART』の「For The Love Of A Princess」のように、小さい音から入ってグッと盛り上げるオーケストレーションの類はレンジの幅が狭く感動が薄れます。
相性が良いのはアコースティック系の楽器を用いた楽曲や、ボーカルを主体とした楽曲。閉塞感がないため、多少の余韻が失われたとしても広がりのある楽曲ともマッチします。具体的には優里「ドライフラワー」、back number「水平線」、あいみょん「裸の心」などが気持ちよく聴けました。
Soundgear Senseのレビューまとめ
ここまでレビューしてきましたが、Soundgear Senseの評価を自分なりにまとめると、「ながら聴きイヤホンとして着け心地はそこそこ、音質はハイレベル」となります。
良い点として、特に音周りの性能については、オーディオブランドとしての作り込みを感じます。そしてながら聴きイヤホンとしては2023年10月発売と後発だからこそ、機能面もしっかり充実させていますね。音と機能で選ぶならかなり有力な選択肢になるはずです。
逆に一番気になってしまったのは装着感。長時間使うことが想定されるながら聴きイヤホンなので、ここは要注意です。また公式サイトで22,000円(税込)という価格を考えると、他の高音質ワイヤレスイヤホンも視野に入ってきます。欲を言うなら、ながら聴きイヤホンという付加価値を考慮しても、もう少しプライスダウンがされると嬉しいところです。ちなみに、2024年7月15日時点で、Amazonでは14,850円というセール価格に。通常セールでは17,000円台だったりするので、これは狙いどきかもしれません。
- ながら聴きイヤホンの中では高音質
- 音漏れはほとんどしない
- 機能が充実している
- 長時間着けていると耳が痛くなってくる
- 充電ケースのサイズが大きめ
- 定価がちょっと高め
いかがでしょうか? JBL「Soundgear Sense」が気になっていた方の、製品選びの参考になれば幸いです。
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